地域のニーズを「うけとめる」取り組み

 大阪しあわせネットワークでは、住まいを維持・確保することが難しい方の支援を積極的に推進しています。
今回は、社会福祉法人桃林会 とりかい白鷺園(しらさぎえん)(摂津市/老人施設部会)の実践を紹介します。

居住困窮者のニーズを痛感

 とりかい白鷺園では、生活困窮者レスキュー事業に取り組む中で、障がいや高齢、失業から家賃滞納や強制退去、借りる際に保証人がいないなどの課題に直面。平成30年に住宅確保要配慮者居住支援法人として大阪府の指定を受け、活動をスタートしました。
 不動産屋や物件内覧の同行、契約時の立会い、生活保護申請や福祉サービスの利用相談、転居時支援、入居後の安否確認や生活相談など多岐にわたり、誰でも無料で相談できます

安住できる場をともにさがす


磯野さん

 2018年に発生した北部地震では、崩壊の恐れを理由に家主から退去を求められ、引っ越そうにも身寄りがなく保証人がたてられない災害時特有のケース(60代男性)に対応。また、年金暮らしの母親(80代)と失業や精神疾患で生きづらさを感じる息子世帯(50代)の転居も支援しました。
 担当の磯野由美子さんは、「入居審査が通らず、福祉サービスもつながっていない方の転居が決まり、生活の見通しがついてホッとされた姿を見ると、やりがいを感じる」と話します。
 相談を受け、生活困窮者レスキュー事業の活用や養護老人ホームの空き室を活用した緊急時の低所得専用住宅を提供するのも支援策の一つです。
 本人の希望を尊重し、安住できる場を一緒に探すことを大切にしています。

不動産関係者らとチームを構築


百武施設長

 施設長の百武(ひゃくたけ)昭彦さんは、「居住支援は、不動産関係者、家主、行政、社協、地域包括支援センターなど関係機関がチームとしてサポートすることが重要。
 社会福祉法人は地域にある資源として、何かあったらすぐに動くことができる強みがある。摂津市が住みやすい町になるようにさらに活動していきたい」と今後の抱負を語ります。

 大阪府内では、10の社会福祉法人が居住支援法人として活動しており、今後さらなる広がりが期待されます。

法人紹介

法人名:社会福祉法人桃林会 とりかい白鷺園
    
所在地:大阪府摂津市鳥飼中1丁目19番8号
電話:072-654-5094
ホームページ:http://shirasagien.com/
法人設立認可年:昭和27年
主な事業内容:
第一種社会福祉事業 養護老人ホームの経営、特別養護老人ホームの経営
第二種社会福祉事業  幼保連携型認定こども園の経営、老人デイサービスセンターの経営、老人介護支援センターの経営、老人居宅介護等事業の経営、老人短期入所事業の経営、障害福祉サービス事業の経営、生計困難者に対する支援相談事業の運営、老人デイサービス事業の経営、一時預かり事業の経営、地域子育て支援拠点事業の経営、障害児通所支援事業の経営

(令和2年9月現在)


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