子どもたちを「はぐくむ」取り組み

「大阪しあわせネットワーク」では、社会福祉法人(福祉施設)の強みや特性を活かした地域貢献事業を推進しています。今回は、社会福祉法人日本コイノニア福祉会(柏原市)の「特別養護老人ホーム大阪好意の庭」と「旭丘まぶね保育園」が連携して支援した事例を紹介します。

家族にも頼ることができない出産が迫る母子への支援事例

田中さん(20代・仮名)は、未婚で妊娠7か月。父親にあたる男性から援助を受けられず、検診のための交通費も支払えない状況の中で出産を真近に控え、心身共に不安定な状態にありました。そのような中、市役所を通じ、「生活困窮者レスキュー事業」の相談として「特別養護老人ホーム大阪好意の庭」のコミュニティソーシャルワーカー(以下、CSW)の高倉由実氏と、大阪府社会福祉協議会の社会貢献支援員に相談の連絡が入り、支援をすすめることになりました。

高齢者福祉施設と保育園が連携して心温まる支援を届ける


旭丘まぶね保育園(大阪府柏原市)

面談の中で、本人の出産が真近に迫っていたため、生まれてくる赤ん坊のおむつや粉ミルク等の日用品を揃える費用、出産の際の準備費用が緊急的に必要な状況であることが分かりました。

高倉CSWは老人ホームと隣接する同法人の「旭丘まぶね保育園」(阿瀨みな子園長)に相談を持ちかけ、園児の保護者に粉ミルクや紙おむつ、哺乳瓶等の寄附の協力を呼びかけることにしました。すると一週間足らずで保護者から多くの物品が集まり、中には心温まる手紙が添えられているものもありました。

その後、無事に出産された田中さんから「皆様からの温かいお気持ちを忘れずにこれから育児に取り組みます」とお礼の手紙が届きました。今は実家からのサポートを受けながら子育てに取り組んでいます。


保育園の保護者から寄付された心温まる物品

地域に根ざし、地域のニーズを受け止める

阿瀨園長は「地域で困っておられる方には園をあげて協力しようという風土づくりに日頃から努めています。今回、保護者がとても協力的であったことに逆に感銘を受けました、困っている方がいつでも飛び込んで来ていただけるよう、オープンな施設として地域に根ざしていきたい」と言います。

近年、生活困窮者レスキュー事業の支援実績の中では、若年層や中高年層が増加しています。若年層にはDV被害にあった方や妊娠中の女性のケースなど母子世帯への支援も多くあります。今回の田中さんのケースでは、保育園ならではの温かみのある支援を行ったことがポイントになりました。


特別養護老人ホーム大阪好意の庭(大阪府柏原市)

法人紹介

法人名:社会福祉法人 日本コイノニア福祉会(にほんこいのにあふくしかい)
所在地:大阪府柏原市国分本町二丁目6番11-203号
電 話:072-931-9449
ホームページ:http://www.koinonia.or.jp/
法人設立認可年月:昭和49年3月29日
主な実施事業:特別養護老人ホーム、生活に関する相談に応じる事業、保育所、老人居宅介護等事業(訪問介護)、老人デイサービス事業(通所介護)、老人短期入所事業(短期入所生活介護)、老人介護支援センター、障害福祉サービス事業(居宅介護)、障害福祉サービス事業(短期入所)、診療所、福祉タクシー、居宅介護支援事業


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